2013年12月20日

おほつごもり

「またたきておほつごもりの燈なりけり」

20年くらい前に作った句です。5年くらい前にNHK俳壇の名作鑑賞に取り上げられました。
どうぞ良い御年をお迎えください。
七田谷まりうす

2013年12月18日

鱈汁

「鱈汁や息かけて熾き燃え立たす」

平成9年の作で、『初秋』のなかに掲載されています。

七田谷まりうす

2013年12月10日

吉書揚(きっしょあげ)


「星明りするどき浜の吉書揚」
吉書揚とは、書がうまくなるように祈りをこめて1月の小正月に書初を焚く儀式。平成13年作。

七田谷まりうす

2013年12月5日

聖夜劇

「聖夜劇画鋲で止めし星が落ち」

子供がクリスマスの劇をやってきて、そこに飾ってあった星が落っこちた様を描いたものです。15年くらい前に超結社句会を高点だったものです。

七田谷まりうす
 

2013年12月3日

ぽッぺん

「卓上にぽッぺんと紙飛行機と」

平成16年に作った句です。ぽッぺんとは、息を吹きかけて音を出す玩具です。福岡に出張した際に買ってきました。

2013年11月28日

綿虫

「高麗川の堰の綿虫日和かな」

10年くらい前につくった句です。

2013年11月25日

いひぎりの実

「いひぎりの実を宵の雨打ちにけり」

10年前に小石川後楽園の飯桐の木を見て作りました。

2013年11月21日

冬夕焼(ふゆゆやけ)

「冬夕焼むかしロシアに帝政あり」

1963年に作った句です。冬の夕焼けを見ていると、かつてロシアに帝政があり、それが残り少ない夕焼けのように輝いているという、50年以上前の句です。

2013年11月20日

虎落笛(もがりぶえ)

「虎落笛日暮れは楽譜をめくるやうに」

これは平成のはじめごろに作ったロマンチックな句です。虎落笛(もがりぶえ)とは、冬の初めに風が木などに当たり出る音のことです。日が暮れて情景が一変する様を句にしました。

2013年11月15日

雪の暮

折鶴の折り方忘れ雪の暮


これは乾いた叙情作です。平成20年ごろに作りました。

2013年11月11日

日向ぼこ(ひなたぼこ)

「縁側に丸眼鏡置き日向ぼこ」

これは七田谷まりうすが最近作った句です。

2013年11月7日

十三夜

「荷風先生の蝙蝠傘や十三夜」
 

2013年11月4日

落霜紅(うめもどき)

「無頼派の誰彼逝くや落霜紅」

これは七田谷まりうすが20年くらい前に作った句です。

2013年10月31日

無患子(むくろじ)


「無患子を双手につつみ鳴らしけり」