2014年12月15日

ぼろ市

「ぼろ市は風の饗宴臼を売る」

七田谷まりうす 句集「通奏低音」(2014)より

2014年11月21日

だだ茶豆

「だだ茶豆その種採りの日和かな」

七田谷まりうす 句集「通奏低音」(2014)より

2014年10月9日

綿虫(わたむし)

「綿虫の飛んでカザルスホールかな」

カザルスホールは神田の駿河台にありました。昔のカザルスホールの回想です。

七田谷まりうす

2014年9月3日

病葉(わくらば)

「病葉を降らす木に手を当てにけり」

朝日新聞 夕刊 2009年6月10日 「素粒子」に掲載された句です。その他、共同通信系の新聞でも俳句解説欄に掲載されました。

七田谷まりうす

2014年8月27日

盆踊り

「盆踊り海峡の町風の町」

七田谷まりうす

2014年6月9日

織女(しょくじょ)


「織姫や星に肉体ありとせば」
 
七夕の織女は秋の季題ですが。
 
平成15年作 七田谷まりうす
 

2014年5月23日

立葵(たちあおい)

降り出してしまふ立葵が咲いて

平成10年作 七田谷まりうす

2014年5月17日

海酸漿(うみほおずき)

「海酸漿鳴らせば雨の降って来し」
 
平成16年の作 七田谷まりうす

2014年5月11日

白日傘

「エンゲルス今も好きよと白日傘」
 
「南部藩家老が裔の白日傘」
 
数年前に読んだ物語性の濃い作品です。エンゲルスガールはマルクスボーイと違って冷静な分析をする人。
 
七田谷まりうす

2014年4月29日

鴨帰る(かもかえる)

「夕空のなお水浅黄鴨帰る」

数年前の作です。水浅黄(みずあさぎ)とは水色の一種で薄いあさぎ色です。

七田谷まりうす

2014年4月18日

青あらし

五合庵への吊り橋や青あらし

平成16年作。五合庵は良寛さんの草庵です
 
七田谷まりうす

2014年4月8日

翁草(おきなぐさ)


「たまさかに吹かれ二本の翁草」

翁草は白頭翁とも言う。小石川植物園にて平成15年作。

七田谷まりうす

2014年3月13日

遅き日

「遅き日の砂町銀座通りかな」

5年ほど前の句です。砂町は石田波郷ゆかりの町です。

七田谷まりうす

2014年2月25日

雛道具(ひなどうぐ)

「亡き妻の少女の頃の雛道具」

7年程度前に作った句です。

七田谷まりうす

2014年2月23日

春雪(しゅんせつ)

「東北大前の鰻屋春雪降る」

平成18年の作。仙台の鰻屋「開盛庵」にて。

七田谷まりうす

2014年2月11日

春隣(はるどなり)

「古書肆出て酒亭に入るや春隣」

10年程度前に作った句です。神田神保町界隈。

七田谷まりうす

2014年2月3日

紅梅

「紅梅を観し夜の夢のみだらなる」

5、6年前の作  七田谷まりうす

2014年1月31日

日脚仲ぶ

「日脚仲ぶゆっくりと振るわが半旗」

平成23年作 七田谷まりうす

2014年1月30日

どんど火

「どんど火に投げ込まれたる潮暦」

平成13年作  七田谷まりうす

2014年1月25日

寒夕べ

「アブサンの濃き緑なり寒夕べ」

平成10年作。アブサンは画家ロートレックなどが好みし酒。

七田谷まりうす

2014年1月10日

雪女郎

「雪女郎なら夏目雅子タイプが好き」

平成3年作

七田谷まりうす

2014年1月8日

独楽

「草色の紐を鞭とし飛騨の独楽」

平成3年の作です。
あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

七田谷まりうす

2013年12月20日

おほつごもり

「またたきておほつごもりの燈なりけり」

20年くらい前に作った句です。5年くらい前にNHK俳壇の名作鑑賞に取り上げられました。
どうぞ良い御年をお迎えください。
七田谷まりうす

2013年12月18日

鱈汁

「鱈汁や息かけて熾き燃え立たす」

平成9年の作で、『初秋』のなかに掲載されています。

七田谷まりうす

2013年12月10日

吉書揚(きっしょあげ)


「星明りするどき浜の吉書揚」
吉書揚とは、書がうまくなるように祈りをこめて1月の小正月に書初を焚く儀式。平成13年作。

七田谷まりうす

2013年12月5日

聖夜劇

「聖夜劇画鋲で止めし星が落ち」

子供がクリスマスの劇をやってきて、そこに飾ってあった星が落っこちた様を描いたものです。15年くらい前に超結社句会を高点だったものです。

七田谷まりうす
 

2013年12月3日

ぽッぺん

「卓上にぽッぺんと紙飛行機と」

平成16年に作った句です。ぽッぺんとは、息を吹きかけて音を出す玩具です。福岡に出張した際に買ってきました。

2013年11月28日

綿虫

「高麗川の堰の綿虫日和かな」

10年くらい前につくった句です。

2013年11月25日

いひぎりの実

「いひぎりの実を宵の雨打ちにけり」

10年前に小石川後楽園の飯桐の木を見て作りました。

2013年11月21日

冬夕焼(ふゆゆやけ)

「冬夕焼むかしロシアに帝政あり」

1963年に作った句です。冬の夕焼けを見ていると、かつてロシアに帝政があり、それが残り少ない夕焼けのように輝いているという、50年以上前の句です。

2013年11月20日

虎落笛(もがりぶえ)

「虎落笛日暮れは楽譜をめくるやうに」

これは平成のはじめごろに作ったロマンチックな句です。虎落笛(もがりぶえ)とは、冬の初めに風が木などに当たり出る音のことです。日が暮れて情景が一変する様を句にしました。

2013年11月15日

雪の暮

折鶴の折り方忘れ雪の暮


これは乾いた叙情作です。平成20年ごろに作りました。

2013年11月11日

日向ぼこ(ひなたぼこ)

「縁側に丸眼鏡置き日向ぼこ」

これは七田谷まりうすが最近作った句です。

2013年11月7日

十三夜

「荷風先生の蝙蝠傘や十三夜」
 

2013年11月4日

落霜紅(うめもどき)

「無頼派の誰彼逝くや落霜紅」

これは七田谷まりうすが20年くらい前に作った句です。

2013年10月31日

無患子(むくろじ)


「無患子を双手につつみ鳴らしけり」